アートユニット「海と梨」が紡ぐ世界ー創作の原点ー part3
アート絵画やジュエリーブランド「Leon art jewelry」の制作・運営を行うユニット「海と梨」。2019年に活動を開始し、それぞれの感性を重ねながら、唯一無二の表現を紡いできたお二人。
連載最終回では今後の目標や読者へのメッセージをお伺いしました。
―― 今後の作品の構想や挑戦してみたい表現手法があれば、教えてください。

海斗さん:今までゴールを決めずにやってきたんです。変わらずに、その時にやりたいと思った事を続けていきたいですね。柔軟性を持ち続けていきたいですね。
梨乃さん:ゴールを決めない事でいい面も沢山あるんです。それを大事にしていきたいですね。
―― 展示してみたい場所やコラボしたいアーティストの方等は具体的に考えていないですか?
海斗さん:そうですね、僕の中では大きい作品を作りたいなという思いはあります。公共の場所や壁画のようなものを描いていきたいなと。もちろん、小さい作品を二人で描くのは実験的という意味では面白いんですけど。大きなスペースを使って、描いていくのはやってみたいですね。
―― それでは作品制作以外で興味のあることやこれから挑戦したい事はありますか?
海斗さん:旅行に行きたいですね。ヨーロッパに行ったことがなくて。知り合いのアーティストも「南フランス、合うんじゃない?」とか言ってくれて。アフリカ大陸など、強烈な色彩がある場所に行ってみると良いよとおすすめしてくれる人もいるので、そこで海外制作してみたいですね。
梨乃さん:今、英語を頑張っているので、もっと色んな人と出会って話してみたいですね。世界が広がると思いますね。
―― 作品制作の合間に続けていることに感動しました。それでは最後に、少し個人的な質問をさせてください。
私は絵に昔から苦手意識があります。常に比較されることを意識してしまい、気軽に絵を書くことができません。私のように絵を書くことに抵抗を感じる人々は何から始めれば良いでしょうか?絵を描く際のマインドなどもお伺いしたいです。
梨乃さん:一番は自分がきれいだなと思ったもの、感動したものを大事にすることだと思います。それはね、誰かに何か言われても、自分がそう思ったら、そうなので。
海斗さん:あとは画材をジャケ買いしてみるとか、絵を描くことを目的にするのではなく、あえて画材を使うことを目的にしてみる。完成した絵が良くても悪くても、「私は画材を使うために描いたんだ」と思えるので。僕がよく思うのは洋服のデザイナーのヨウジヤマモトさんが「僕はずっと一人オリンピックをしているんだ」とおっしゃっていて。自分のオリンピックでいかに記録を更新していくのか、他人は関係なくて、自分の新記録をいかに出していくかを意識して制作していると言っていたんです。そういう風に考えてみると、気が楽になるかなと思います。
―― ありがとうございます。絵を描く際の心持ちを変えて、また挑戦していきたいなと思いました。では最後に、今、この記事を読んでいる方に伝えたい事はありますか?
梨乃さん:言いたい事は全部言いました笑笑
ただ、絵のことに関して言うと、「絵は技術ではない」と言い切れるわけではないんです。絵は日々思考錯誤していって、偶然にできたものを必然的に再現できるようになっていくんです。それがいつの間にか、自分なりの技術になっていくんです。
海斗さん:木村さんの言葉で言うと、「絵の中に技術がある」ですね。
梨乃さん:それが個性やオリジナリティーになることを目指して、日々制作していますね。
海斗さん:僕もメッセージにまでなるかはわからないですけど、これについて暇な時に考えてみませんか?という提案をしますね。木村先生がよく言っていることです。木村先生の師匠はイラストレーターの長沢節さんという方なんですが、その長沢さんが「美しいものが本当に分かるようになりなさい。」と言っていたんです。これは「本当に美しいものをわかるようになるのではなく、美しいものが本当に分かるようになりなさい。」とおっしゃっているんですよ。皆さんはこの言葉について、どう思いますか?
ーーインタビューはこちらで以上になります。お話を伺い、また作品の鑑賞だけではなく、お話しさせていただきたいなと思いました。本当にありがとうございました!!

【編集後記】
インタビューを通して、今後の「海と梨」の活動を見るのが楽しみになりました。
今後の展望を伺った際、具体的なゴールを掲げるのではなく、「その時にやりたいことをやる」と話していたお二人の表情が印象に残っています。
何かを成し遂げることよりも、まずは目の前のことに全力で挑む。
その姿勢は作品制作だけではなく、お二人の生き方そのものを表しているように感じました。
私も周りを気にするのではなく、自分が本当にやりたいことは何かを日々考えながら、挑戦を続けていきたいと思います。
お二人からお話を伺えた時間は私にとって、宝物です。
本当にありがとうございました。
インタビュアー・書き手:水谷琴音
【展示情報】
